1学期始業式の式辞にかえて

新型コロナウィルス感染症の拡大が止まりません。
 昨日、新入生240名を迎えて入学式を挙行できたところに、本日から再び臨時休業に入ることになりました。したがって、1年のスタートである1学期始業式ができなくなりました。式辞にかえてメッセージを配付しますので読んでください。そして、学校再開の日には皆さんの意欲に満ちた顔を見せてください。
 
 “失敗から学ぶことは大きい”
 ホテル東横インの社長黒田麻衣子さんは「人づきあいで苦労した人を登用」しています。創業者である父親から言われているのは、「経営は、人・物・金・情報の順番だ」だそうです。一番は「人」で、一番難しいのも「人」だと。話をするタイミングや、かける言葉で、人間関係は大きく変わります。このようなことから、採用試験の面接では、受験者は成功体験を話したくなるものですが、あえて失敗談を聞き出し、そこから何を学んだか、これからどう活かそう思っているのかを知ろうとしているそうです。
 「人づきあい」は失敗がつきものです。私は社会に出て35年が経ちましたが、苦労の連続でした。それでも前を向いて進んでいけたのは、自分に共感してくれる人や自分が共感できる人の存在が心の支えでした。「人づきあい」の失敗を活かし、目の前の人と真摯に向き合うことが大切だと思います。とにかく現実の社会で多くの人に会ってみよう。仕事で差がつくのは能力ではなく人間関係ですよ。

“リスクのないビジネスにはいずれ終わりが来る”
 昔話を一つ。祖父母から伝え聞いた話ですから根拠がありませんのでその点はご容赦ください。清須市にキリンビールの工場があることを知っていると思います。キリンビールは東海道線沿線の一宮に進出したいと考えていたそうです。この計画について一宮がとった行動は「繊維の一宮にビールは必要ない」と。事情は分かりませんが、法人税収不足に悩む今の一宮にとって、もしキリンビールが一宮にあったらなぁと一市民は思います。
 世の中には、失敗したらどうしようとか、時間を無駄にしたくないとか、或いは楽をして収入を得たいという、安全志向やその場しのぎ的な言動が存在します。しかし、リスクのない道は本当に5年先、10年先の成長にとってはどうなのだろうかと考えてください。そして一歩前に進みましょう。

 

校 長 小 川 芳 範

2020年04月07日