一商関係者の皆さんへ

 新型コロナウイルス感染症の流行がますます拡大しています。皆さん、お身体第一にお過ごしになっていることと思っております。
 学校は3月2日から臨時休業に入り、入学式を除けば教育活動が実施できておりません。さらに、4月10日には愛知県が独自に緊急事態宣言を発出するなど、事態はますます深刻化しております。くれぐれも外出は必要最小限とし、自宅でお過ごしくださいますようお願いします。

 さて、本日はお願いを2つします。長くなりますがご一読いただき、ご協力をお願いします。
 “医療現場からの声”
 公立病院の病棟看護師長を勤める教え子から、医療現場の現状と医療従事者としての思いに触れる機会がありました。厳しい現状について認識を深めていただきたいと思いますのでご紹介します。
 現実的に医療崩壊がいつ起きてもおかしくない状況です。病院では感染対策を徹底して行っていますが、どこの病院でも同じ対応をやれているとは限りません。確実な薬もワクチンもない状況で、感染力が強いコロナウイルスに対して、お一人の安易な考えや行動が、終息を遅らせてしまいます。
 感染症病棟に勤務する者は、毎日大きなストレスと疲労を抱えながら勤務しています。自分や大切な家族が感染することのないよう、24時間緊張から解放されない状況にあります。私は感染症病棟に勤務するスタッフに対して、充分な心のケアもしなければならないと思っていますし、もしスタッフが感染してしまったらと思うと、自分が責任を感じることになると思っています。さまざまな思いで、スタッフや家族などがこの緊張感から一日も早く解放されることを祈る日々です。しかし、今は終息どころか、感染者が増え続けています。一人ひとりが今できる事を、確実にやってもらえたらと切に願います。

 “今こそ心の痛みの分かる人になりましょう”
 厳しい状況にともないさまざまな行動が制限されています。
 特に、3年生にとっては最後の1年ですから、「なのに…、どうして…」とつい愚痴ったり、責めたりしたくなることもあるでしょう。私には、これまでの勤めの中で、特に辛かったことが2度ありました。その時々に、先輩や同僚から、「大丈夫、小川にしかできないんだから、みんなで付いていくよ。」と、心の底から私に寄り添った言葉をかけてくれました。人は苦しい時に、手を差し伸べてくれたり、優しさに触れたことを一生忘れません。このことから、私は一番大変な所にいる方に寄り添うよう言い聞かせています。
世知辛い世の中、いわれのない誹謗中傷や差別的言動、風評被害も聞き及んでいます。どうか、一商関係者の皆さんは、校訓にある「至誠一貫」の至誠を以って、言動に努めてくださいますようお願いします。

一宮商業高等学校長 小 川 芳 範


2020年04月13日