校長挨拶

令和7年度がスタートしました

愛知県立一宮商業高等学校 校長 朝日 真二

 

一宮商業高等学校は、昭和十三年(1938年)創立、今年87年目を迎えた県内有数の伝統校です。卒業生は二万四千人を超え、地域の皆様から「一商」の名で永く愛され、親しまれてきました。校訓は「至誠一貫・質実和楽・感謝報恩」の三対(つい)の言葉で表されています。

入学式では、新入生に対して校訓について次のように話をしました。

「至誠一貫」とは、一つの方針や態度で、最後まで誠意を貫くことです。そのような真心を常に持って生きていく社会人になってください。

「質実和楽」とは、飾らず真面目、質素で誠実、和やかな心を持っていることです。優しい笑顔、思いやりのある話し方ができる大人になってください。

「感謝報恩」とは、毎日の生活の中で受けている多くの恩恵を感じとり、社会のために貢献することです。受けた恩を感じることができたら、他の人にその恩を送ることのできる人になってください。

また、本校での学校生活を始めるにあたり、心に留めてもらいたいことを2つ話しました。

一つ目は、三年後の自分の姿を具体的に描くことです。人にはそれぞれ「良さ」があります。自分がもっている「良さ」を自分で見つけ、それを生かした具体的な進路目標を持ってください。そして、その目標に向かって新しい一歩を踏み出しましょう。皆さんは、無限の可能性を秘めています。この可能性を自分の手で膨らませ、大きな花を咲かせてくくれることを願っています。

二つ目は、自分の行動に責任を持つことです。人は一つの行動をとるとき、いくつかの選択肢の中から一つを選び、行動に移します。人は誰しも弱い部分を持ち合わせています。時には誘惑に負けてしまうことがあるかもしれません。しかし、その行動の最終判断者は、他人ではなく、自分自身です。皆さんには、より良い人生を歩んでほしいと願っています。そのためには、幸せな自分を絶えず頭に描き、理想の自分になるために、「損得、苦楽」を考えずに行動してください。

一商での高校生活の主人公が、自分であることを自覚し、その主役である自分を立派に育てていく責任者が、自分自身であることを心に刻んでください。そうすれば、きっと充実した高校生活を送ることができると信じています。

さて、新学習指導要領が実施され4年目となりました。本校が展開していく地域創生ビジネスの学びは、次の5領域です。

「観光(Heritage tourism)ビジネス」

「スポーツ(Sport)ビジネス」

「街づくり(City renovation)ビジネス」

「食(Food)ビジネス」

「地場産業(Local industry)ビジネス」

一宮市を中心としたこの地域が、持続的に発展していくカギとなる5つのビジネスの学びを一宮商業において展開していきます。生きたビジネス教育を系統的に実践していくことで、コミュニケーション力、マネジメント力、マーケティング力を備えた人材、時代が求める地域創生ビジネスの専門家育成を目指します。失敗を恐れず、この学びに積極的に参加してください。

いよいよ令和7年度がスタートしました。新しい制服をまとった1年生が一宮商業に新しい風を吹き込んでいます。学校は活気に満ちています。今年の民踊大会も一商祭(一商フェス)も生徒、保護者、地域の方に満足していただける学校行事となるよう準備を進めています。期待してください。「‘がんばる’のそばにいつも あたらしく あなたらしく」一商は、今年もやります。